送受信切り替え制御(セミブレークイン回路)の設計

送受信切り替えおよびセミブレークインのタイミング生成回路について説明します。
アンテナの送受信切り替えには、高周波リレーを使用していますが、リレーの切り替えには10mSEC程度の切り替え時間が必要です。
従ってリレーがまだ切り替わっていないうちにキャリアが出ますとファイナルのトランジスタに負担がかかるうえ、リレー接点も電圧が印加された状態での接点切り替えとなりますから、接点の寿命に影響します。
そこで、このリグではリレーが切り替わる約10mSECのあいだ、キャリアを出さないように工夫しています。
タイミング生成回路の回路図を下記に示します。
PTTまたは、KEY DOWN信号は、74HC14のシュミットトリガで波形成形されます。この波形成形は、とくにバグキーを使用する場合、波形のかすれの防止になります。

この波形成形されたPTT/KEY DOWN信号 ( 74HC14 #6pin )からリレー切り替え信号 RELAY-CONT と キャリア及びサイドトーン発生信号 CAR CONT を生成します。

さらにこの信号からRCの遅延回路によりリレーの切り替え時間、約10mSECの遅延を持たせた信号(74HC14 #8pin)を生成します。
この74HC14 #8pin信号の立下り(PTT OFF / KEY UP 時)をトリガとして、ワンショットモノマルチ74HC123によりセミブレークイン用のディレータイミング (KEY UP後も暫く送信状態を維持する信号)を生成します。

74HC14 #8pinとワンショットモノマルチのディレータイミングを合成して送信部の電源をコントロールするT-CONT信号を生成します。
74HC123ワンショットモノマルチは、リトリガラブルタイプですので、KEY UP DOWNのたびにトリガが繰り返されますので最後のKEY UPから正確に一定時間のディレータイミングを作ることが出来ます。

なお、SSBのときはPTT OFF からのディレータイミングを生じないように(セミブレークイン動作をしないように)ワンショットモノマルチのRC時定数をトランジスタスイッチで切り替えています。

以下にPTT/KEY DOWN信号、RELAY-CONT信号、T-CONT信号のタイミングを示します。