AGC設計

AGCは、IFアンプ3段にかけています。
それぞれのIFアンプは、3SK73を使用しており、第2ゲートでAGCコントロールを行っています。

本機では、第2ゲートのAGC電圧に対してゲインがリニアに変化するように3SK73の動作点を決定しました。
これにより、AGC電圧を利用したSメータの振れが、入力信号に対して直線的に変化させる事ができます。

また、いかなる入力信号レベルに対してもAGCループのゲインが一定になるので、AGCの立ち上がり特性を最適に設定できるはずです。(ただ、この点に関しては今のところ聴感上、実感できていませがHi)

3SK73は、ソースに抵抗を挿入して使用するとAGC特性のリニアリティーが得られるようです。

図1は、ソース抵抗ゼロオーム時の測定回路と測定結果です。




このようにソース抵抗が無い場合、G2電圧(AGC電圧)に対して非線形な特性になっています。






次にソース抵抗220Ωとしたときの実験回路と測定結果を示します。




このようにソース抵抗220Ω、G1電圧2.0Vとすると G2電圧(AGC電圧)0V~3Vの範囲でリニアな特性が得られ、約45dBのAGC可変範囲が得られました。

本機では、このIFアンプを3段使用していますので、AGC可変範囲は130dB以上得られる計算になります。

なお、IFアンプを3段とした場合、発振する可能性もあります。
本機では、IFアンプ出力の2次側に1kΩの負荷をつなぎゲインを落とすことにより、発振を回避しています。( 実験回路のFCZトランス2次側の1kΩ )
当初、ゲインを上げる目的でこの1kΩを無くし、次段のIFアンプにハイインピーダンスで接続してみたのですが、見事に発振してしまいました。