AGC検波回路
AGC検波回路は、JA1AMH 高田 継男さん著 CQ出版社 「ゼロからつくるアマチュア無線局」に紹介されているミズホ通信(株)製CW
トランシーバ P-7DXの回路に若干変更を加えて使用しています。
私の製作してきたトランシーバは、全てこの方式のAGC検波を使用していますが簡単な回路ながら、なかなかFBに動作してくれるので、とれも気に入っています。
使用しているAGC検波回路を下記に示します。
AGC OUTの可変範囲は、使用するIFアンプのAGC特性に合わせて 3V~0V としています。
AGCの時定数は、C1 // C2 および R1 で決定されます。
本機では、C1 = 2 . 2μ C2 = 1 u ですので、C1 // C2 = 3 . 2 u 、そして
R1 = 470k としていますので時定数は ( C1 // C2 )・R1 = 1 . 5秒 ( カットオフ
0.1Hz ) となります。
なお、C2 、R2 は、AGCループの位相補償用です。これは、高域のゲインを落とすことにより、AGCループの発振(ハンチング)やオーバーシュート(AGCのヒャックリ現象)を防止するとともに
Sメータの微振動を抑える効果があります。
この部分は、C2= 1μ R2=10k としていますので 16Hz で位相補償となります。
AGC時定数切り替え回路を追加しました。
本機を暫く使用して受信フィーリングを検討してきましたが、夜の7メガでは周期の早いフェージングを伴なって入感する場合が多いようなので、時定数1
. 5 秒ではAGCがついて行けず、受信音がフワフワした感じになるのが気になりました。
そこで、下記回路のような時定数切り替え回路を追加してみました。
Q1 , SW1 , C3 が追加した部品です。
スイッチがONの場合、C1はトランジスタスイッチQ1で切り離され、AGCの時定数はR1と(
C2 // C3 = 1 . 47 u )で決定され、約0.7秒となります。
スイッチがOFFの場合は、時定数はR1と( C1 // C2 // C3 = 3 . 67 u ) で決まり、約1.7秒
です。
昼間の比較的コンディションが安定している時は、時定数をSLOW側にしていると符号と符号の間のノイズが抑えられて聞きやすい受信音になるので、私はSLOW側のフィーリングの方が好きですが、夜間はやはりFAST側が良いようです。