ファイナル/ドライブ回路
ファイナルとドライブ段は、同じ2SC1945を使用し、どちらも回路的に簡単なC級アンプとしています。
C級は、回路的には簡単ですが、LPFでしっかり高調波を抑えておく必要があり、フィルタが大変になってしまいます。
本機では、ドライブ出力は、Q=1の定K π型3段、ファイナル出力は、Q=1の定K
π型4段としています。
ドライブ段は、Pcが小さいので特に2SC1945を使用する必要はありせんが、このトランジスタは、フィンがエミッタですから絶縁する必要が無く、便利なので使用しました。
各部のレベルですが、電源電圧13.8V時、ドライブ段の入力は、30mW 、ドライブ段の出力が、500mW
のときにファイナルの出力が 丁度 10W となりました。
リニアアンプと違い、C級アンプは、出力が設計値どおり出ればOKとしてしまいがちですが、C級アンプもオーバードライブには、注意が必要です。
オーバードライブすると歪が増え、最悪、アンプが逓倍動作してしまう事もあります。
それから、プリドライブ段のPcが0.3W程度になり、2SC1815クラスではチョッと辛いので、2SC3597
を使用しました。
この石は、あまり聞きなれないトランジスタですが、CRTモニターの映像出力用の物で、TO-126パッケージ、Pc MAX 1.2W ( フィン付で10W )です。
映像用だけにftも高く、ft = 800MHz 、Cob = 3.4pF (トランジスタ規格表による)ですから、VHF/UHFのQRP機のファイナルとして使用できるかも知れません。
本機では、この石をフィン無しで使用しています。
それから私のアンテナは50%に短縮したモノバンドのV型ダイポールですが、CWの場合、出力は10Wもあれば充分な気がしています。
よほどコンディションの悪いときに外部ブースタで40Wにアップすることがありますが、普段は10Wの運用を行っています。