送受切り替えポップ音対策設計
送受信を切り替えたときに出る「ブチッ」というポップ音は、特にCWブレークイン運用時には、とても気になるものです。
本機では、このポップ音を出来るだけ出さないような設計を行いました。
CWモードしかありませんので、ポップ音も比較的簡単に対策することが出来ました。
送信時には、受信部がOFFしますので、先ずこの時に受信部からポップ音が出ます。
従って送信モードに移った時には、アナログスイッチICでサイドトーン側にAFラインが切り替わるようにして、受信部からのポップ音が出ないようにしています。
また、アナログスイッチで切り替えている受信側のAFラインと送信側であるサイドトーンラインにDCバイアス電位の差があると、アナログスイッチの出力に接続されているAFアンプ(LM386)でそのDCバイアスの差が増幅されてしまい、ポップ音になってしまいます。
LM386のゲインは、200倍くらいありますから、DCバイアス電位に僅か10mVほどの差があったとしても10mV
X 200 = 2 V の電圧変動となってスピーカから「ボツッ」という音が出てしまいます。
そこで、本機ではAFラインとサイドトーンラインにそれぞれオペアンプを使用し、両方のオペアンプを同じ1/2Vccでバイアスすることにより、AFラインとサイドトーンラインのDCバイアスをそろえています。
ところが、このようにしてもまだ両方のオペアンプの出力には、オフセットが存在するので、両方のオフセットの差がDCバイアスの差となって残ってしまいます.。
そのため、下記回路のようにサイドトーン側のオペアンプのゲインを微調整することにより、オフセットの差を合わせ込んでいます。
両方のオペアンプのオフセットがピタリと合うポイントは、結構クリチカルなので、オシロでポップ音の波形を観測しながら行ったほうが、合わせやすいと思います。
オフセットが完全に一致するとポップ音が全く出なくなり、なかなか快適な送受信切り替え回路に仕上がります。
送受信のポップ音が全く出ないので、本機をフルブレークインで動作させたときでも快適な運用が出来ます。