タップについて

タップはFCZコイルにならって1次巻き線の半分の巻数位置から出しています。
半分の位置にしておけば、コイルの足ピン1番と3番は2番ピン(タップのピン)に対して対照となり、どちらに接続しても同じになるので、接続の間違いを防げます。

タップを持ったコイルは、1次と2次の巻き線を共有したトランスと同じですから、結合係数は1に近く、従ってインピーダンス比がほぼ4:1のトランスと見ることが出来ます。

タップを使用すると負荷インピーダンスがステップアップされて同調回路の負荷Q ( Ql とします)が上がり、同調がよりシャープになるとともに、同調回路の挿入損失が増えて増幅器のゲインが低下しますので、異常発振の防止になります。
(タップをトランジスタのコレクタに接続して、同調回路のホットエンドを電源に接続しても動作は同じです。)







ここで、下図 a のようなコンダクタンスGの電流源(信号源)に負荷コンダクタンスGが接続されている回路(従ってマッチングがとれているので負荷コンダクタンスGには最大の電力 Po が供給されている)に並列同調回路を挿入する場合を考えて見ます。(コンダクタンスは抵抗の逆数 1/R です。計算を簡単にするため、ここではコンダクタンスで考えます。)

このとき、負荷コンダクタンスに供給される電力を Po とすると

Po = ( I / G )^2・G

この図aの回路に並列同調回路 図b が接続されたときに負荷コンダクタンスG に供給される電力を Pi とすると

Pi = ( I / ( G + g + G ))^2・G

従って、並列同調回路を接続したときの挿入損失ρ[ 倍 ] は

ρ = Pi /Po = ( G / ( G + g + G ))^2

となります。

ここで、無負荷Qを Qu 、 負荷Qを Ql とすると (X は共振しているときのコイルまたはコンデンサのリアクタンス)

Qu = 1 / ( X g )
Ql = 1 / ( X ( G + g + G )

ですから、ρの式を Qu 、 Ql で表すと

ρ = ( 1- Ql / Qu )^2  [ 倍 ]

となり、Ql が大きいほど挿入損失ρが低下します。