バーテックススタンダード FT-817
FT-817を購入して約一年ほどしたころから、サブダイアルの調子が序々に悪くなり、右に回しても左に回しても周波数がUPするようになってきました。
原因は、サブダイアルが機械式のエンコーダなので、接触不良が増えてチャタリングが発生しているものと推定しました。
下記がFT-817のサブダイアル周辺の回路図です。
私は、ストレージオシロを持っていませんので、波形をお見せする事は出来ないのですが、サブダイアルの A および B 出力の波形を観測したところ、ダイアルを回した時に出力されるクロックの立ち上がり立下りに、かなりひどいヒゲ状のノイズが発生していました。
回路上には、C4004、C4006 がある為、ある程度までのチャタリングに対しては対策されているようですが、効きが今ひとつ弱いようです。
そこで、さらに大きなコンデンサC1、C2( どちらも0.1u )を追加して対策する事にしました。
下記がその対策回路です。
C1, C2 の追加により、不具合は、ピタッと収まりました。
しかし、チャタリングの度合いによっては、もっと大きなコンデンサでないと効果が出ない場合が有るかも知れません。
その場合は、症状に応じてコンデンサの値を大きくします。 ただし、必要以上に大きくしすぎると、ダイアルを早く回した時にCPUがクロックを読み取れなくなりますので、必要最低限の値にします。
尚、C1 , C2 には、小型で容量が大きい、積層セラミックコンデンサを使用しました。
また、コンデンサの取り付けは、FT-817のパネルユニットを外してから行う必要があります。パネルユニットの外し方とコンデンサの取り付けについては、以下をご覧下さい。
FT-817のパネルユニットは、特殊なコネクタが使用されているため、不用意に外そうとするとコネクタを壊す恐れがあります。
以下の方法で、慎重に作業してください。尚、作業は、あくまで自己責任のもとで行ってください。
先ず、FT-817の上下のケース蓋を外します。
下側のケース蓋は、電池ホルダーの蓋の爪を取り付けてあるネジも外す必要があります。
次にパネルユニットと本体をつないでいるリードカード(フレキシブルリード)のコネクタを本体側で外します。
コネクタの茶色の部分がヒンジになっていて、カッターナイフの先などで茶色の部分を引き起こすとリードカードが外れるようになっています。
繰り返しますが、この作業は、自己責任のもとで慎重に行ってください。ヒンジ部は非常に弱く、簡単にヒンジが折れてしまいます。
こうなるとリードカードをロック出来なくなり、バーテックスさんのお世話にならねば治りません。
コネクタのヒンジ部のロックが外れたら、リードカードを外します。
リードカードは、何度も同じ部分を折り曲げたり、伸ばしたりしていると断線しますから注意してください。
リードカードを外す
サブダイアルの端子部にコンデンサを取り付けます。
サブダイアルの端子は、真ん中がグランドです。
コンデンサの取り付け時、ユニットパネルのプラスチック成形品を半田コテで焦がさないように注意してください。(私は、いっぱい焦がしてしまいました。Hi )
あとは、取り付けたコンデンサが他の部分に当らないことを確認してから、元通りに組み立てて完成です。