TGES

1.インストール/アンインストール

あらかじめ、Microsoft社のサイトから Microsoft .NET Framework 4 以上のバージョンをコンピュータにインストール しておきます。
コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」の一覧に .NET Framework4 以上が表示されていれば、インストール は不要です。

次にUSBドライバーをインストールします。 USBドライバーは FTDI社のサイトのVCP Driversからダウンロードして解凍し、適当なフォルダに入れておきます。
本機をコンピュータに接続すると「新しいハードウェアが見つかりました」とメッセージが出るので 「一覧または特定の場所からインストールする」を選び、「次の場所を含める」にチェックを入れてから「参照」を クリックして、先ほど解凍しておいたUSBドライバーを置いているフォルダーを指定して「次へ」をクリックするとUSB ドライバーがインストールされます。
ところが、インストールを完了するためにはもう一度同じインストール操作 をする必要があります。
一回目のインストール操作終了すると再び「新しいハードウェアが見 つかりました」と表示されるので、同じ手順でインストール操作をして完了です。

なお、Windows 7 の場合、USBを接続すると自動的にWebからドライバーがインストールされます。
ドライバーが正常にインストールされました、と表示が出るまでしばらく待つと完了です。

解凍したフォルダ内のTGES Ver1.0.2.exe がコンピュータ側の実行ファイルです。
クリックすると TGES のコントロールソフトウェアが起動します。 Windows XP および Windows 7 での動作は確認しています。

tges_ver10.HEX がPIC側のソフトウェアです。
Microchip社のPICkit3 などの書込みツールを使用してPICに書込みます。
PICは PIC16F873A を使用します。


アンインストールの場合は TGES Ver1.0.2.exe を削除します。



2.使用方法

2-1 基本操作

TGESにはUSBのバスパワーでDC5V電源が供給されます。消費電流は、約200mAですので、USB 2.0以上が必要です。
USBは、仮想COMポートとして動作します。

(1) USB仮想COMポートのオープン/クローズ
   Openボタンをクリックするごとにデバイスマネージャに登録されているCOMポートを順番にオープンしていきます。
   オープンできないポートの場合は、警告が出ますので、続いてOpenボタンをクリックしてオープン可能なポートを 探してください。
   Closeボタンをクリックするとポートが閉じます。 再び、Openボタンをクリックすると先ほど開いていたCOMポートから再オープンします。

 オープン出来ないときの警告表示。OKをクリックして警告を消し、再びOpen をクリックする

(2) モードの選択
   Start/Stop周波数を指定するモードと Center周波数とスパンを指定するモードが選択できます。
   スパンゼロにするとTGESは、スイープせずに単一周波数の連続発振モードとなります。
   この場合、Center周波数は1Hz単位で指定できます。
   連続発振モードの場合、Resetボタンを押すと約2秒後に発振が停止します。

(3) 計測開始
   Startボタンを押すと計測が開始します。
   被測定回路へは、50Ωの同軸ケーブルで接続します。

(4) キャリブレーション
   測定系の周波数に対するレベル変動をキャンセルする機能です。
   初めにTGESの入出力をケーブルで直結してキャリブレーションボタンを押すとキャリブレーションが始まります。
   キャリブレーション中は、グラフ上に赤色のトレースが描かれます。
   キャリブレーションは、この赤色のトレースと0dBラインとの差を補正データとして取り込みます。
   キャリブレーションデータの計測は、アベレージング8回で実行します。
   キャリブレーションが終了すると Normalized と表示され、この状態で Startボタンを押すと測定系のレベル変動がキャンセル され、0dBのラインに fit します。
    なお、Normalized 状態は、測定周波数を変更すると解除されますので、再度キャリブレーションを実行する必要があります。

 入出力を直結して測定した場合。約2dBの変動がある。

 キャリブレーション実行

 ノーマライズした計測結果レベル変動がキャンセルされている。

(5) カーソルの表示
  測定終了後、Cursorボタンをクリックすると計測カーソルが表示されます。
  カーソルはマウスでつまんで移動させます。

 計測直後のグラフ

 Curorボタンをクリックするとカーソルが表示される


(6) データのセーブ/オープン
  測定したデータをcsv形式で保存します。
  また、保存したデータをオープンするとグラフが再生されます。

  csv形式のデータの並びは、"周波数"、"計測値" となっています。
  "周波数"は、そのまま周波数を表しています。
  "計測値" は、0 が -90dB、 1023 が +10dB に対応しています。
  "計測値"を デシベルに変換するには、

  デシベル = "計測値" * 100 / 1023 - 90

  となります。

(7) グラフの印刷
  Ready to print メニュー下の Duplicate をクリックすると同じグラフの複製がボタンなどが省略された形で表示されます。
  キーボード上の ctrl + Alt + PrintScrn を押すとWindows のクリップボード上に複製グラフ画面が取り込まれるのでExelやWord などのアプリケーションに張り付けてからアプリケーション側の機能で印刷してください。
 なお、複製グラフの Title 部分には文字を書き込むことができます。
 マウスでTitle部の右側をクリックしてカーソルを置くと 文字が書き込めます。

 Ready to print 下の Duplicate をクリックする



 複製グラフにはタイトルを入れることができる


(8) PIC側のLED点灯
  USBに接続されるとLEDは約2秒ごとに点滅します。
  USBで通信中はLEDは連続点灯します。
  通信中、LEDの明るさが変化することがありますが、これはコンピュータ側の処理にかかる時間が長くなったときに明るく点灯する仕様にしているためです。
  コンピュータ側は非同期マルチスレッドで動作しており、PICとの通信以外に別の処理をしている時間があり、その処理時間が変動するからです。


(9) 分解能
  周波数測定範囲を500分割して測定します。最少分解能は1Hzです。周波数測定範囲は500Hz以下でも設定可能ですが、その場合の分解能は1Hzに丸められます。


(10)周波数測定範囲
  2kHz〜20MHzです。ただし、この範囲を超えても設定は可能です。(設定上限は30MHz。 27MHzを超えるとTGESの出力が急激に低下します。)


2-2 周波数補正

PIC側DDSのクリスタル発振器の周波数誤差を補正できます。
PIC側のスイッチSW1 を1秒間押すとPICは 10MHz の連続発振モードとなります。
正確な周波数カウンターを接続して発振周波数が正確に10MHzとなるようにボリュームVR1を調整します。
調整完了後、再びSW1を押すと(チョン押しで良い)、調整値がPICのフラッシュメモリーに保存されて通常の動作モードに 戻ります。
次回、起動時からは保存された周波数調整値で起動します。


2-3 通信エラー

コンピュータとの通信でビットエラーが発生する場合があります。
その場合、計測データはゼロに置換されるので、以下のように急にゼロに落ちるようなグラフとなります。
頻繁にビットエラーが発生する場合は、一旦 COMポートを閉じてからもう一度オープンすると改善することがあります。