POWER ON / OFF 時のポップ音ミュート回路

電源スイッチをON/OFFする時に発生するブツッという音をミュートする回路です。
CPUからのPOWER ON 信号の立ち上がり、立下りをそれぞれトリガとしてワンショットモノマルチ74HC123によりミュート信号を生成しています。
ミュートは、AF アンプ LM386 の入力をトランジスタスイッチ( 2SC2878B )でグランドに落とすことにより行っています。
しかし、POWER ON/OFF 時は、LM386自身からもノイズが発生しますので、残念ながら完全にポップ音を消す事は、できていません。
尚、LM836の5ピン出力のDCバイアスは、1/2 Vcc となりますが、実際には、若干のオフセットが発生しています。
また、そのオフセット値は、+入力端子がオープン時とグランドにショート時で数百ミリボルト変動します。
従ってミュートの為に、+入力端子をトランジスタスイッチでグランドに落とすとオフセット値の変動が起こり、ミュートしているはずが、逆にポップ音を発生させることになります。
そこでミュート時とミュート解除時の出力のオフセットの差をゼロにするために回路図中の Roffset を挿入しています。

5ピンにデジボルを接続し、ミュート時とミュート解除時の5ピンのDCバイアスの差が最小となるようにRoffset の値を決定します。
Roffsetの最適値は、ミュートトランジスタの VCE(sat) によってバラツキますので、カットアンドトライが必要です。

それから、送受信切り替え時のノイズについては、ポップ音対策設計の項で説明した回路構成でほぼ無くしていますが、SSBの場合だけ若干のポップ音が残ってしまいましたので、さらにこの回路でミュートしてノイズを消去しています。